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数理社会学会の概要

 数理社会学会は、数理社会学ならびに理論社会学・計量社会学に関する研究を行なうとともに、それらの研究にたずさわる研究者の研究成果の発表と相互交流を通じて、社会学ひいては社会諸科学の発展に資することを目的としています。

 会員数は、2011年3月7日現在で295名(一般会員263名、院生・学生会員32名)。会員の専攻分野は、社会学だけでなく、経済学・政治学・心理学・社会工学・社会情報学・生物学・統計学などにもわたっています。

会則

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設立趣意書(1986年3月12日)

 私ども、数理社会学を志すものが集い、数理社会学研究会を結成したのは1980年 6月のことであった。以来、私どもは多少の研鑽を積み、昨年11月には初の論文集『数理社会学の現在』を上梓した。これで、わが国の数理社会学も固有の存在証明を果たせた、と考える。研究者層の拡充と学問の制度化は、学問それ自体の実質的発展の帰結であると同時にその条件でもある。これを機会に数理社会学研究会を発展的に解消させて、あらたし数理社会学会を設立させたいと考える。

 数理社会学会は、社会学の内にあって、数理モデルの構築を通して社会現象を解明することに関心を寄せるすべての研究者の交流の場たらんことをめざす。

 数理社会学は数理的思考にもとづいて、厳密な概念と演繹的な理論の構築をめざしている。この意味において、数理社会学会は、演繹的な社会学理論の構築と発展に感心と期待を寄せるすべての研究者の交流の場たらんことをめざす。

 数理社会学は数学理論に依拠することから、その特徴の一つにアプローチの形式性・抽象性が挙げられる。その特徴ゆえに、数理社会学はかえって柔軟で自由な応用を可能にしている。数理社会学は、問題領域別の連字符社会学とは横断的にかかわり、家族・地域・階層・・・など、多様な具体的問題に取り組む。以上の意味において、数理社会学会は、様々な実質的課題に取り組みつつそれに対する数理的方法の適用に関心と期待を寄せるすべての研究者の交流の場たらんことをめざす。

 数理社会学と計量社会学とは、ともに数学理論に依拠しており、また相互に補完的な役割を果たしている。この意味において、数理社会学会は、計量社会学・統計分析・予測・測定・社会調査などに関心を寄せるすべての研究者の交流の場たらんことをめざす。

 社会学以外の自然科学・社会科学に目を向けるならば、数理的思考の導入は、決して特別のことではなく、むしろ諸科学の必然的過程であるとさえいえる。この意味において、数理社会学会は、社会学の外にあって、社会現象の解明のために数理的思考を導入することに関心と期待を寄せるすべての研究者の交流の場たらんことをめざす。

  以上、数理社会学を中心に関連する諸領域の理論と方法の発展のために、私どもは真に平等で互恵的で創造的な研究交流の場を設けんことを、数理社会学研究会の総意を受けてここに呼びかける次第である。

1986年 3月12日

設立発起人

井上 寛 (島根大学)*1
白倉 幸男 (北海道大学)*2
今田 高俊 (東京工業大学)
盛山 和夫 (東京大学)
海野 道郎 (東北大学)
原 純輔 (横浜国立大学)*3
高坂 健次 (関西学院大学)
山口 弘光 (松山商科大学)*4
小林 淳一 (福岡大学)
和田 修一 (国立精神衛生研究所)*5

現在 *1九州工業大学 *2大阪大学 *3東北大学 *4逝去 *5早稲田大学