数理・計量社会学ハンドブック刊行事業
2002年3月の理事会および総会にて、2002年度から2003年度にかけての学術振興事業として「数理・計量社会学ハンドブック(仮称)」の刊行事業が新たに承認されました。
このハンドブックの刊行事業は、21世紀における数理社会学会の新たな飛躍へ向けての礎として位置づけたいと考えております。さらにはまた、現在数土広報・企画担当理事を中心として企画されている「数理社会学シリーズ」をはじめとして、今後の会員の皆様の数理社会学関連の出版活動に対してより広い読者層の関心を呼び込むためのきっかけを提供することも目論んでおります。
なお、このハンドブックの刊行事業は、機関誌『理論と方法』と同様、学会事業であり、会員の皆様のご協力のもとで初めて成り立つ事業です。具体的には、ハンドブックの各論文・記事等につきまして、多くの会員の皆様にご執筆をお願いすることを予定しております。
会員の皆様にはなにとぞご協力賜りますようお願い申し上げます。
会長 今田高俊
刊行されました
1. 趣旨
これまで数理社会学、計量社会学の全体像がそれぞれ1冊で見渡せるような、日本語で読めるやさしい入門書がなかった。数理・計量社会学への関心は潜在的には社会学内外に決して少なくないと思われるが、一方で社会学内部に対しては「数学」という障壁が、他方で社会学外部に対しては「社会学」という障壁があって、結果として「何をやっていのか分からない」、「とっつきにくい」といった不安や誤解を外部の人間に生じさせ、数理・計量社会学への参入の妨げになっていたと思われる。しかし、数理・計量社会学の全体像が容易に理解できる入門書があれば、数理・計量社会学への不安や誤解が取り除かれ、多くの人を数理・計量社会学の世界へ誘うことができるものと期待できる。
2. 体制
数理・計量社会学ハンドブックは、原則として機関誌『理論と方法』と同様に位置づける。すなわち、編集は「数理・計量社会学ハンドブック編集委員会(仮)」とし、編集委員はそれぞれ若干名の編集委員で構成され、理事会により任命される。また、編集に必要な経費は学会から支出(学術図書刊行事業費)し、出版により得た利益(印税等)は学会の収入(事業収入)とする。
数理社会学ハンドブック(仮称)編集委員会
編集委員長 土場 学
編集委員 佐藤 嘉倫
編集委員 数土 直紀
編集委員 三隅 一人
編集委員(事務局) 渡辺 勉
編集委員(事務局) 小林 盾
計量社会学ハンドブック(仮称)編集委員会
編集委員長 与謝野 有紀
編集委員 栗田 宣義
編集委員 間淵 領吾
編集委員 安田 雪
編集委員(事務局) 高田 洋
3.内容
数理社会学ハンドブック
- 対象としては、大学生(社会学専攻に限らず)、一般読者を想定する。
- 約50のトピック(数理モデル)を紹介することで、幅広い範囲における数理モデルの有効性を示す。
- 各トピックは基本的に独立に構成し、どのトピックから読んでも理解可能であるようにする。
- 数理社会学の全体像が見通せるような文章をいくつか載せる。
- 全体の構成
1) 全体の意図、各部の構成などの説明。
2) テーマ別のトピック
3) 数学付録
4) 数理社会学を学ぶための参考文献
- 各トピックの内容
1) 各トピックは4頁。
2) 各トピックごとに数点の参考文献を挙げる。
3) 使われている数学手法を明記する。
4) 使われている数学手法の共通するトピックを注記する。
計量社会学ハンドブック
- 対象としては、大学生・大学院生(社会学専攻に限らず)を想定する。
- 分析内容・分析手法・社会学トピックを統一的に紹介することで、計量モデルの有効性を示す。
- 各トピックは基本的に独立に構成し、どのトピックから読んでも理解可能であるようにする。
- 本書の使い方と計量論文のチェックリストを載せる。
- 全体の構成
1) 全体の意図、本書の使い方
2) 内容を4つの大節とし、その中の小節ごとのトピック
3) 分析内容別のトピック 4) 計量論文チェックリスト付録
- 各トピックの内容
1) 各トピックは分析内容別とし、分析手法が異なっても同じ内容ならばひとつにまとめる。
2) 社会学トピック・分析内容・分析手法がひとまとまりとなり、計量的手法を用いた社会学の応用を紹介する。
3) 各トピックごとに数点の参考文献を挙げる。
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